「Swing MASA Osaka Jazz Womynz 2009」 より        ―私の思い 女性とジャズ―


私の、女性とJazzに対する思いを、CD「Swing MASA Osaka Jazz Womyns 2009」に掲載した文章を再掲(一部略)することでお伝えしたいと思います。今回のコンサートにはパーカッションの参加はありませんが、piano、bass drums はこのメンバーです。ここに掲載しながら、このメンバーでの演奏活動がもう10年にもなるのだと、改めて思いました。多分、どこの世界でもそうなのでしょうが、ここに書いたとおり、音楽業界は、まだとっても男社会です。仕事であれ、活動であれ何かをしようとした女の人ならわかっていただけると思いますが、我々も決して周辺から十分な支持を受けて、ここまで来たわけではありません。私たちに与えられた支援は、私たちの音楽を愛してくださる方々の支援のみだったと言ってよいと思います。その中でよくやってきたという思いと、まだまだだという思いとが重なります。どうぞ、私の思いをお読みくださって、7月17日のコンサートにも是非お越しくださいますように。

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自称フェミニストで男嫌い、男社会と闘ってきたこの私が、今回のCDジャケットのSpecial Thanks 欄に女性の名前を1人も入れられなかったことはとてもショックだった。日本の音楽業界がまだまだ男社会であるという現実に改めて気付かされた。専門分野のフェミニスト女性と連携をとれなかったのだ。アメリカでは、女性のみで運営される制作会社が二つほどある。もちろんエンジニアからミュージシャン、プロデューサーまですべて女性だけで構成されていた。


このSpecial Thanks 欄の男達は、もちろんよき理解者であり本当に感謝しているが、ここではっきりと明記しておきたいことがある。このCDを何としても作らねばと私を精神的に駆り立ててくれたもの、それは常日頃から私の演奏活動を支えてきてくれた多くの心豊かな女たちの声であったということだ。
このCDは、女性による女性のエンパワメントのための作品としてフェミニズムの視点で日本Jazz史を見た場合、その歴史に残る画期的な一枚なのである、とまぁ、自負してはいる。

何故ならこのアルバムは男社会の枠内に自分を封じ込める事無く、Jazzという音楽、そして自分の選んだ楽器と正面から真剣に向き合ってきた私たち五人のメンバーそれぞれの人生の歩みの中でようやくできあがった一枚だからだ。音にこめられた言葉に女性の放つエンパワメントを聞き取ってもらえればありがたいと思う。

このメンバーで演奏活動を始めてもう10年ほどの月日が流れた。このメンバーでのCDはないのかと演奏の度ごとに聞かれ、いつも「はい、そのうち、、、」などとごまかしていたが、ここにこうしてこぎつけられたことを心から嬉しく思う。

又、私たちはどんどん成長していますので、是非生演奏を聞きにコンサートにお越しください。そして、いろんなところで演奏したいと思います。
いつかあなたの町に私たちを呼んでくださることを夢見て。